車掌車というと、つい見たことのあるヨ5000やヨ2000などを思い起こしますが、戦前に新製されたのはヨ2000(昭和12年、1937年以降)くらいで、その量数100両と限られていました。
昭和初期に空気制動が貨物列車に導入され、車掌車が必要になった時行われたのは、大量の2軸客車改造でした。形式図を見るとまあ、ありとあらゆる種類があったようです。しかし、その形式写真のようなものは見たことがなく、唯一『トレイン増刊 車両の視点』にはっきりと姿を見ることができます。
戦後になると、さすがにこれらの2軸客車改造車掌車の老朽化が進み、今度は10トン積のワを大量に改造したヨ2500がメジャーになります。昭和20年代の貨物列車はこれが似合うようです。
ヨ2500もさすがに老朽化して、1950年(昭和25年)以降、ヨ3500が大量増備(1,345両)され、戦後の貨物列車の姿が固まっていった、ということでしょうか。
なお、テールライトは戦前はひっかけ式で左側1個、戦後GHQの命令で左右1個ずつに、また改造で次第に車両に埋め込まれていったという経緯をたどったそうです。