モーガル(Mogul)工場日誌

80分の1、16.5mmゲージを中心とした鉄道模型工作

いさみやのBタンク (2)

 いさみやのBタンクは形状が似ているので北海道製糖のいわゆる「ライケンハイマ―」がプロトタイプかと想像していました。社長に北海道製鐵ではなく北海道製糖だったのでは、と聞いたところ、「いや、北海道製鉄のはずだ」とのことでした。

 その後、社長が改めて調べ、メモをつくってくれました。

「北海道製鉄1号機について

・1911年5月ポーター製 WNOS 4889・90

・横浜のカーンズ商会が代理店として塩原軌道Nos1,2として納入したトラム形のロコで、無煙炭またはコークスを燃料として用い、煤煙を少なくするのが建前であった。しかも屋上に排気音を消すためのマフラーがついていた。

・塩原軌道は1912年に西那須野~塩原口間13.5kmを開業し、1922年に電化し、塩原電車と名をかえた。しかし、1936年には廃止されている。

・Nos.1,2のうち1両は1917年北海道製鉄に売却され、そのNo.1となった(売却時にキャブを改造)

・北海道製鉄は1917年創立、1924年日本製鋼所の傘下に入り、その輪西製鉄所となり、戦後富士製鉄㈱の輪西製鉄所から室蘭製鉄所に改称、その後企業合併により新日鉄室蘭製鉄所となったものである。

・No.1機は1941年頃No.101に改番、その後川崎の富士製鉄所に移されここで廃車解体された(富士製鉄川崎製鋼所)

・トラムとはキャブの変形で乗客は入れない。客車を牽引するロコである。輪西でキャブ(トラムの)を外し、サイドタンクとキャブを新造、弁装置はアメリカ形スティーブンソン式、動輪径660mm、軸距1,524mm、ゲージ1,067mm」